手足の痺れでお困りの方へ — まずはここを確認:【頚髄症】セルフチェック
手足のしびれや細かな動作がしにくいと感じていませんか?その症状は「頚髄症(けいずいしょう)」の可能性があります。放置すると歩行障害や日常生活への支障を招くことがあるため、本記事では頚髄症の原因・症状と、早期治療の重要性を詳しく解説します。
頚髄症の症状
頚髄症とは、首の脊椎内にある脊髄(せきずい)が圧迫されて生じる状態で、さまざまな症状を引き起こします。主な原因は加齢に伴う変性や椎間板ヘルニアで、脊髄が圧迫されると神経の信号伝達が障害されます。そのため手足のしびれや筋力低下が起こり、ボタンをかけるなどの細かい動作が困難になったり、歩行が不安定になることがあります。進行すると排尿・排便機能にも影響を及ぼす場合があるため、早期の治療が重要です。

自宅で簡単にできる!頚髄症セルフチェック
自分で簡単に確かめられる頚髄症のセルフチェック項目をご紹介します。気になる方はやってみてください。
- ボタンテスト:シャツのボタンを外す/留める → 明らかにぎこちない・時間がかかるか。
- 箸/コインつまみ:箸で小さなものをつまめるか、床に置いたコインをつまめるか。
- 指タップ:親指と人差し指で素早くタップを繰り返す → 遅れやぎこちなさがないか。
- 握力チェック:片手ずつ固く握ってみて左右差や力の入りにくさがあるか確認。
- タンデム歩行:片足のつま先ともう一方の足の踵をつけながら、一列に歩く。→ふらつきやつまずきがないか。
- 首を前に曲げてみる(レルミット徴候の確認):首をゆっくり前に倒したときに背中〜手足に「電気が走る」ような感覚が出るか確認。※刺激を与える検査なので注意が必要。強い痛みや激しい症状が出る場合は中止。

タンデム歩行は転倒のリスクがあるので、周囲の安全確認をしてから行ってください!



一つでも当てはまったら、早めに整形外科を受診しましょう。
頚髄症の原因
頚髄症の主な原因は、首の背骨を構成する椎骨(ついこつ)や椎間板の加齢性変化です。年齢とともに椎骨が変形し、椎間板が劣化することで脊髄や周囲の神経に圧力がかかります。この圧迫により手足のしびれや筋力低下が生じます。
具体的には、椎間板の萎縮・潰れで脊髄が圧迫されたり、背骨の周囲に骨棘(こつきょく)ができて神経を圧迫したりします。また、椎間板が脊髄側へ飛び出す椎間板ヘルニアや、頚椎のずれによる神経の圧迫も原因になります。


こうした変化は主に50歳以降に多く見られますが、若い方でも激しいスポーツや首を酷使する仕事が原因で起こることがあります。また、事故などで首に強い衝撃を受けると頚髄症になることもあるため、日常から首に無理をさせない生活を心がけることが大切です。
頚髄症の検査
頚髄症は主に首や肩の痛み、手足のしびれや筋力低下などがみられます。原因を明らかにするために複数の検査が行われます。
まず診察で医師が症状の聞き取りを行い、首や肩の可動域、筋力、感覚を詳しく評価します。
続いてレントゲン検査で頚椎の骨の変形や狭窄の有無を確認します。しかしレントゲンでは脊髄や神経の詳細は写らないため、脊髄の圧迫状態を把握するにはMRI検査が不可欠です。加えて、神経伝導速度検査や筋電図検査を行うことがあり、これらで神経伝達や筋機能の異常を評価します。検査結果を総合して症状の進行度・重症度を判断し、適切な治療方針を決定します。





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頚髄症の治療
頚髄症の治療について説明します。頚髄症は首の部分の脊髄が圧迫されて生じる神経障害で、治療は症状の程度や進行状況により異なります。大きく分けて保存療法と手術療法があります。まず、症状が軽い場合は保存療法を行います。これは薬物療法やリハビリテーションを中心とした治療です。痛みやしびれを和らげるために消炎鎮痛剤や筋肉をほぐす薬が処方されることがあります。また、首を安定させるための頸椎カラー(サポーター)や物理療法(温熱療法、牽引療法など)も効果的です。リハビリでは首や肩周囲の筋力を強化して症状の改善を図ります。





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一方、保存療法で改善が見られない場合や症状が重い場合は手術が検討されます。手術では脊髄や神経を圧迫している骨や椎間板の一部を除去し、圧迫を解放する処置が行われます。手術の方法は患者さんの状態により異なりますが、脊髄や神経への圧迫を軽減し、症状の進行を防ぐことが目的です。
治療後も日常生活で姿勢に気をつけ、首に過度な負担をかけないようにすることが大切です。
頚髄症のリハビリテーション
頚髄症のリハビリについて説明します。頚髄症は首の部分で脊髄が圧迫されて神経障害を引き起こす病気で、リハビリは治療の重要な一部です。リハビリの目的は、症状を和らげ、日常生活の質を向上させることにあります。


まず、リハビリでは首や肩の筋力を強化する運動が行われます。筋力を高めることで脊椎が安定し、首にかかる負担を軽くすることができます。具体的には、首や肩のストレッチや軽めの筋力トレーニングが推奨されます。これらにより首周りの血流が改善し、症状の軽減が期待されます。
次に、姿勢の改善もリハビリの重要なポイントです。日常的に悪い姿勢が続くと首への負担が増え、症状が悪化することがあります。リハビリでは正しい姿勢の保ち方や、長時間同じ姿勢をとらないための対策について助言が行われます。
例えば、重い物を持つ際や首を動かすときに気を付けるべき点を指導されます。リハビリは継続が重要で、専門家のもとで無理のない範囲で進めることが症状の改善につながります。



日常生活での負担を減らすために、適切な動作方法を学ぶこともリハビリの一環です。
頚髄症の予防
首の脊髄が圧迫されて神経に障害が生じる頚髄症は、普段の生活での工夫によって予防したり症状の進行を抑えたりすることが可能です。以下の3つのポイントを心がけてみてください。
- 正しい姿勢を保つ
-
正しい姿勢を保つことは首への過度な負担を防ぐうえで重要で、背筋を伸ばし頭を前に突き出さないように意識することや、長時間のデスクワークやスマートフォン使用時にこまめに休憩を取り首や肩を動かして緊張をほぐすことが、症状の予防や悪化の抑制につながります。



スマホって気づいたらずっと見てしまうんですよね……。



いわゆる「スマホ首」にならないよう注意です!
- 適度な運動を習慣化する
-
日常的に無理のない運動習慣をつけましょう。とくに首・肩周りの筋力を鍛える運動は脊椎を補助し、首への負担を減らします。首や肩のストレッチや軽い筋トレを定期的に行うことで頚椎の柔軟性を維持し、症状の発症や進行を防げます。重い物を持つときは必ず腰を落として膝を使い、首や背中に負担がかからない姿勢で扱ってください。



詳しいストレッチ法が知りたい方は、理学療法士に気軽にお尋ねください!
- 無理はしない
-
首を傷めないようスポーツや生活の場面で無理を避け、事故防止に努めることが大切です。予防は毎日のちょっとした配慮の積み重ねであり、常に意識することが症状の発生や悪化を防ぎます。
予防は毎日のちょっとした配慮の積み重ねであり、常に意識することが症状の発生や悪化を防ぎます。
監修医師のアドバイス
頚髄症は「年のせい」と考えられがちですが、そのまま放っておくと歩きにくさや排尿のトラブルといった生活に大きな支障が出ます。手や足のしびれや細かい作業がやりにくいと感じたら、なるべく早く整形外科でMRI検査などを受け、正しい診断を受けてください。軽ければ薬やリハビリでよくなることが多い一方で、症状が進めば手術が必要になる場合もあります。日頃から姿勢に気をつけ、首への負担を減らす生活を心がけましょう。



お気軽にご相談ください!
おやま整形外科クリニック仙台院での治療費の例
| 1割負担 | 2割負担 | 3割負担 | |
|---|---|---|---|
| 初診の診察 レントゲン(6方向) 処方箋 | 約900円 | 約1,780円 | 約2,670円 |
| 再診の診察 物理療法 (電気治療、ウォーターベット) | 約110円 | 約220円 | 約330円 |
| 再診の診察 運動器リハビリ (理学療法士) | 約450円 | 約890円 | 約1,340円 |
| 初診の診察・レントゲン(6方向)・処方箋 |
| 1割負担:約900円 |
| 2割負担:約1,780円 |
| 3割負担:約2,670円 |
| 再診の診察・物理療法 (電気治療、ウォーターベット) |
| 1割負担:約110円 |
| 2割負担:約220円 |
| 3割負担:約330円 |
| 再診の診察・運動器リハビリ(理学療法士) |
| 1割負担:約450円 |
| 2割負担:約890円 |
| 3割負担:約1,340円 |
