放っておくと危険！首の痛みの裏に潜む【頚椎後縦靭帯骨化症】とは？

頚椎後縦靭帯骨化症の原因

　頚椎後縦靭帯骨化症の原因は、いまだ明確には分かっていませんが、発症にはいくつかの要因が関係していると考えられています。

遺伝的な要因

まず、「遺伝的な要因」が大きく関わっていると考えられています。家族の中に同じ病気を持つ人がいる場合、発症するリスクが高くなる可能性があるとされています。

加齢

「加齢」も重要な要因の一つとされています。年齢を重ねることで体の組織は次第に変性しやすくなり、靭帯が硬くなって骨のように変化しやすくなることが知られています。特に中高年の男性に多くみられますが、女性や若年層でも発症することがあります。

物理的な負荷やストレス

靭帯や骨に長期間かかる物理的な負荷やストレスも、骨化の一因になりうると考えられています。たとえば、スポーツや重労働などで首へ継続的に負担がかかると、頚椎の靭帯が骨化しやすくなる場合があります。
また、一部の代謝異常やホルモン変化の関与も指摘されています。特に「糖尿病」などの代謝疾患がある方では、頚椎後縦靭帯の骨化リスクが高まるとされています。

どの要因が主な原因となるかは、患者さん一人ひとりによって異なります。

頚椎後縦靭帯骨化症の症状

　靭帯が骨化して神経や脊髄を圧迫すると、首から肩・腕・手にかけて多様な症状が現れます。初期は「首や肩のこり・痛み」が目立ち、神経の圧迫が進むにつれて、次のような症状がみられるようになります。

• 手や指先のしびれ、感覚の鈍さ
• 力が入りにくく、物を落としやすい
• ボタンを留める・字を書くなど細かい動作が難しい
• 歩行時に足がもつれる、ふらつく
• 重度では排尿困難や頻尿、排便障害

これらの症状はゆっくり進行することが多く、「加齢の影響」や「単なる肩こり」と思い込んで放置すると、重症化につながる恐れがあります。

早期の診断と適切な治療が何より重要です！

頚椎後縦靭帯骨化症の診断・検査

　頚椎後縦靭帯骨化症が疑われる場合、医師は問診・神経学的な診察・画像検査などを組み合わせて、総合的に診断を行います。

主な検査

• X線（レントゲン）検査：骨化した靭帯の有無を確認
• CT検査：骨化の範囲や位置を立体的に把握
• MRI検査：神経や脊髄の圧迫の程度を詳しく評価

おやま整形外科クリニック仙台院ではレントゲン・MRIの両方の検査が受けられます！

頚椎後縦靭帯骨化症の治療

　治療方法は、症状の程度や進行の状態によって大きく異なります。

STEP

軽症〜中等症の場合（保存療法）

• 消炎鎮痛剤や神経の炎症を抑える薬の使用
• 首・肩周囲の筋力を高めるリハビリテーション
• 姿勢改善や生活習慣の見直し

できるだけ進行を抑える、という感じです。

STEP

重症の場合（手術療法）

保存療法で効果がみられない場合や、神経症状が強く日常生活に支障をきたしている場合には、手術によって骨化した部分を除去したり、神経の通り道を広げたりする治療が行われます。

主な手術方法：椎弓形成術、椎弓切除術

手術後はリハビリを行い、身体機能の回復を目指すとともに、再発を防ぐことが大切です。

頚椎後縦靭帯骨化症のリハビリ

　リハビリは、手術を受けた場合だけでなく、保存療法を行う場合にも欠かせない重要な治療の一部です。

リハビリのポイント

• ストレッチ：筋肉の緊張をほぐし、神経への負担を軽くする効果があります。
• 筋力トレーニング：首や肩、肩甲骨まわりの筋肉を鍛えることで、頚椎の安定性を高めることができます。
• 姿勢改善指導：デスクワーク中やスマートフォンを使用する際の姿勢を正しく保つことで、首への負担を減らすことができます。

おやま整形外科クリニック仙台院には経験豊富な理学療法士がたくさんいます。医学的根拠に基づいた様々なストレッチ法がありますので、お気軽にご相談ください！

予防と日常生活のポイント

　頸椎後縦靭帯骨化症は原因を完全に防ぐことは難しいものの、日常生活の工夫によって発症のリスクを減らすことができます。

よく「スマホ首」になってしまうので気を付けます。

最近、肥満体重領域に足を踏み入れてしまったので気を付けます。

監修医師のアドバイス

　頚椎後縦靭帯骨化症は、決してまれな病気ではありません。早期に見つけて薬物療法やリハビリを始めることで、重症化を防ぐことができます。
「手のしびれ」「細かい作業のしにくさ」「歩行時のふらつき」などの症状がある方は、放置せずに一度整形外科へ相談してみましょう。

お気軽にご相談ください！