知らないと危険！肘の“神経圧迫”で起こる【肘部管症候群】とは？症状と治療を徹底解説

肘部管症候群とは

　肘部管症候群は、肘の内側を走る尺骨神経（しゃっこつしんけい）が圧迫されることで発生する神経のトラブルです。
尺骨神経は、薬指や小指の感覚を伝えたり、指を細かく動かすための筋肉をコントロールしたりする役割を持っています。

この神経が、肘にある“トンネル状の通り道（肘部管）”で圧迫されると、しびれや痛みといった症状が現れるようになります。

肘部管症候群の症状

　最も多く見られる症状は、薬指や小指のしびれです。指先の感覚がにぶくなったり、肘から手首にかけて痛みが広がることもあります。
また、肘を曲げた状態が続くと症状が強まり、夜中にしびれで目が覚めてしまう方も少なくありません。さらに進行すると、ボタンを留める・細かい物をつまむといった日常の動作がしづらくなることもあります。

肘部管症候群の原因

　原因は人それぞれ異なりますが、特に次のような要因が関係しているとされています。

これらのうち複数が重なると、発症のリスクが高まります。

肘部管症候群の診断方法

　診断では、症状の現れ方や、どのような動作でしびれが悪化するかといった点を詳しく伺い、肘まわりを触診して感覚や筋力の状態を確認します。
さらに、状態をより正確に把握するため、必要に応じて以下のような検査を組み合わせて行います。

• レントゲン・MRI：肘の形状や神経のまわりの状態を確認します。
• 神経伝導検査：弱い電気刺激を用いて、神経がどのように伝わっているかを測定します。

これらの結果を踏まえて、神経の障害がどの程度進んでいるかを評価し、適切な治療方針を検討します。

「おやま整形外科クリニック仙台院」ではレントゲン・MRIの両方の検査が受けられます！

肘部管症候群の治療法

　治療は、症状の程度に応じて段階的に進めていきます。まずは、日常生活で肘への負担を減らす工夫から始めます。たとえば、肘をつく癖を控えたり、長時間同じ姿勢で作業しないようこまめに姿勢を変えるだけでも、症状が改善することがあります。
必要に応じて、以下の治療を組み合わせながら進めます。

• 夜間用のスプリント（装具）を使用して、肘を軽く伸ばした姿勢に固定します。
• 抗炎症薬の内服や湿布、アイシングなどで炎症を抑えます。

それでも症状が強い場合や、筋力低下が目立つ場合には、神経の圧迫を取り除く手術を検討することもあります。

肘部管症候群のリハビリ

　肘部管症候群の改善には、リハビリも大切な役割を果たします。前腕や手首のストレッチで柔軟性を高めたり、神経の動きをスムーズにする「神経スライド」と呼ばれるトレーニングを行います。
さらに、電気治療・超音波治療・アイシングなどを組み合わせることで、痛みや炎症の軽減を図ります。

さらに、デスクワーク時の姿勢やスポーツ動作など、肘に負担がかかりやすい習慣を見直すことで、再発予防につながります。

「おやま整形外科クリニック仙台院」ではリハビリの機器やスタッフが充実しています！お気軽にお越しください。

肘部管症候群の予防

予防のポイントは、肘を長時間曲げたままにしないことです。作業の合間にストレッチを取り入れたり、机や椅子の高さを調整するなど、日常のちょっとした工夫が効果的です。
また、肘をつかないよう意識することも、症状の予防に役立ちます。

監修医師のアドバイス

　肘部管症候群は、早期に気づいて適切な対処を行うことで改善しやすい病気です。
薬指・小指のしびれが続く、肘を曲げていると痛みやしびれが強くなる、夜中にしびれで目が覚める、細かな作業がしづらくなってきた――このような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。

当院では、“手のしびれ・肘の痛み”に対して、整形外科として幅広く対応しております。
少しでも気になる症状がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

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